◆幅広、偏平タイヤの落とし穴
2023年2月20日(月)
私たちは幅の広いタイヤが大好きな種族です。
タイヤは高速回転の遠心力に耐えるために幅が広くなるほどトレッド面が補強されています。 なので
「幅の広いタイヤはトレッド面が硬い」
ここが乗りにくくなる原因の一つです。
タイヤ剛性(タイヤサイズ)が車重に対して適切な場合、地面にたたきつけられたトレッドは接地面がへこむことで衝撃を吸収し、さらにトレッドの接地時間を稼ぐことでタイヤはグリップしています。
一方、タイヤ剛性(ケー ス)が固いとトレッドが地面に接地した瞬間にケースがへこみにくい分トレッドのゴムが圧縮され、その反動で、はじきかえされて接地感が薄くグリップしなくなります。
車速が上昇しタイヤの回転が速くなると遠心力によりトレッドが膨らもうとすることでケースはより一層変形しに くくなり接地面、接地時間の減少、トレッドゴムの圧縮、と摩擦力がさらに低下する。
タイヤの空気圧を減らすことでケース剛性を柔らかくすることはできるが、トレッドよりもサイドウォールの変形量のほうが大きくムービン グなどコーナリングパワーに影響する。
だけどタイヤの幅を広くすると接地面が広がる恩恵のほうが大きいのでサーキットではタイムが向上する。
この乗りにくさを少しでも改善しようと、あれこれ調整しているのだけど例えばキャンバー
車重が軽くタイヤ剛性が高い場合。キャンバーをポジティブに調整すると接地圧中心点がタイヤの内側に移動することで左右オーバーハングの慣性重量が増加し、調整前よりもタイヤへ動的荷重がかかりグリップが向上する。
また少ない接地面積で荷重を支えることで接地面が変形しやすくトレッドの接地圧上昇デメリットよりもケーシン グ変形のメリットが上回り接地感やグリップが向上する。
よーな気がする。
昔トーヨータイヤのCMでアレジが裸のタイヤにまたがって床に押し付けてたな。
ケース剛性と車重、奥が深そうです。